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Published: 22 July 2022

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【ネタバレ注意】メイドインアビス 烈日の黄金郷 第3話 感想レビュー

ユータ

みなさんこんにちは。絶賛試験期間中で寝不足のユータです。

試験なんて関係なく、今週もアニメ「メイドインアビス 烈日の黄金郷」第3話の感想を書いていきます! 今回は少しフォーマットを変えて、読みやすく工夫してみます。

※この感想レビューはアニメを視聴済みであることを前提として書いていますので、ネタバレ注意です! なお、私は原作を履修済みなので、その視点も含めた感想となります。

成れ果て村

今回の話は前回の続き、原作第6巻ハローアビス第40話「成れ果ての命」の話からでした。前回は成れ果て村を目にし、マジカジャという機械のような成れ果てに「石は得意なものがやってるよ」と言われ、マジカジャについていったところで終わっていました。ついていくと、途中に上り階段がありましたが、不思議なことにこの成れ果て村には力場がなく、上ることができました。ある建物に到着すると、そこには鋭い鎌のような手をした成れ果てがリコの白笛の表面を砕いていました。一瞬激高するレグでしたが、リコが言うには、プルシュカは嫌がっていないそうです。マジカジャはその理由に、石が本当の形になっていないからだと言います。本当の形、楽器になることで白笛は強くなり、精度が上がる。その過程を経ずに持つのは価値として良くないそうです。この発言から、他の白笛全員が成れ果て村のこの場所で白笛を加工してもらっていたのかが気になりました。

その後、マジカジャから「カジャたちの『イルぶる』を見せるよ」と言われ、またついていくことにしました。ここで出てきた「イルぶる」は成れ果て村の言葉で「村」を意味しています。歩きながらの話で、マジカジャの正体を聞きました。その答えは、ナナチと同じ成れ果てで、身体が匂いでできているため、あの機械のようは身体は入れ物にすぎないとのことでした。その上、なにかしら入れ物になる身体がなければ話すことができないそうです。

価値の市場

マジカジャに案内されて着いたのは、市場でした。マジカジャは「価値の市場」と呼んでいました。ここでは物も物以外も価値で交換することができるそうです。通貨の単位も地上の街オースの「オース」ではなく別のものでした。探窟家グッズ売り場のような場所を発見すると、リコの母親、殲滅卿ライザの封書の一部が売られていることに気がつきました。マジカジャに買いたいと伝えると、価値を交換すればいいと返されました。そしてその価値というのは、物々交換ということではなく、自分自身の価値(目でも皮でも脂でも)だと言います。ここからマジカジャの目が変わりました。「ヒトの子は一番価値が高い。まるごとならカジャも欲しい」とコインを手に持ってリコに迫ってきました。きっぱり断るとすっと諦めてくれました。ここは結構怖いシーンでしたね。マジカジャのあの身体だと目が無機質なので尚更怖かったと思います。先程のマジカジャの身体の話であったことからすれば、リコを身体として欲しかったのだと思います。でも、すぐに諦めてくれたあたり、マジカジャは優しい成れ果てだと感じました。

リコはひとまず今ここで封書を買うのは諦めました。また、3人はマジカジャの持っていたコインに書いてあった印が前回出てきた手紙に描かれた印と同じなことに気づきました。そこで3人は情報を引き出すために興味を持つ素振りを見せることにしました。話を聞くと、市場には他にも小さなものに身体を這わせることを価値としているものや、身体に管を通すことを価値としているものや、他者の身体を切り裂くことを価値としている成れ果てもいるのを目にしました。さらに、成れ果ては皆身体が「欲」の形になるのだと言います。ナナチも例外ではなく、とても強い欲で命が守られた成れ果てなのだそうです。とても強い欲で守られた命、ナナチが成れ果てになったとき、ミーティーはナナチに呪いがいかないように必死で6層の呪いに耐えていました。ミーティーが耐えられたのもナナチに生きてほしいと強く願われたからだと思います。

この成れ果て村の市場、一見変わった世界のように見えますが、私は私たちの住む現実世界とあまり変わらない気がします。肉体として自分自身を価値として差し出しはしませんが、人は基本的には皆働くわけで、その働ける能力を自分の価値としてサービスをし、貨幣経済の下ではお金を給料としてもらうわけです。成れ果て村でも色んな成れ果てたちが独自の価値でサービスをしてお金を稼いでいます。どうでしょう、あまり変わらないように感じられると思います。こう考えてみると結構親近感を持って成れ果て村を見ることができるのではないでしょうか。

価値の清算

市場をあとにすると、後ろからついてきていた成れ果てたちと絡みました。レグは成れ果てたちから触られ、くすぐったそうに笑っていました。思えば、レグがくすぐったそうに笑うのはこれが初めてだと思います。いつもレグに触られているナナチは日頃のお返しと言わんばかりに「たまには思い知れ」と言いました。そうこうしているうちに、メイニャが「まああ」としか言わない成れ果て(以後マアアさん)に乱暴に扱われ、潰されてしまいました。ここから、原作第41話「価値の清算」の話になります。メイニャはナナチによって手当てされましたが、マジカジャにメイニャの価値を聞かれ、決められないほど高いと答えると、突然「キュイー」という鳴き声のような音とともに黒い「何か」が現れました。マジカジャは「清算が始まる」と言いました。その「何か」はマアアさんを囲い、マアアさんの持っていたものや市場で使えるコインを取っていきました。すべて取り終えると、今度はマアアさんの皮がはぎとられ、腕が引きちぎられました。ここはメイドインアビスのグロさが出てましたね。個人的にはナナチとミーティーの昇降機実験やレグの右腕切断と比べればこれくらい優しいと感じちゃいましたけど、私はもはや感覚がバグっているのでグロが嫌いな人には大変なシーンだったと思います。

マジカジャの言うには、自分の持つ価値を上回るものに傷をつけたから価値が釣り合うまで所持品も自分の肉体も奪われる「清算」が行われると言います。価値を傷つけるのはイルぶるでは大きなタブーとされているため、「清算」を行うのは強く守られているのだそうです。これも私は現実世界を少し過激にしただけで同じように感じました。現実世界でも、他者の所有物を壊したら弁償しますし、何かしらの債務を履行せずに法的な力が使われれば差し押さえられて所持品を奪われてしまいます。さすがに肉体で清算することはありませんが、こう考えると現実のルールもイルぶるのルールも同じに感じられます。

話は少し変わりますが、マアアさんの所持品の多くはぬいぐるみのようなものでした。もしかしたらマアアさんが成れ果てになるにあたっての「欲」は「ぬいぐるみのようにかわいくなりたい」だったのかもしれません。私のケモナーとしての欲望は「マスコット体型のかわいい猫のケモノになりたい」というように似たようなものなので、私が成れ果てになるとマアアさんのような見た目になるのではないかと思ってみたりもしました。

ハニいすく(宿)

マアアさんの清算が終わり、価値を交換できるコインを後ろめたさを感じつつも受け取ったリコ。マジカジャはそれで寝床と食事も確保できる、自分は身体を通してくると言って去ってしまいました。さっそく宿を探そうとしたのですが、マジカジャ以外の成れ果てには言葉が通じませんでした。そこでリコが突然「ハニースク」と言い出しました。マジカジャは去り際に「それだけあればハニいすくハディ…なんと言ったか…寝床とヒトの食事も困らない…」と言っていました。リコはここの「ハニいすく」という言葉を聞き逃していなかったのです。何度か「ハニースク」と言って、近くに何者かの糞がある中、寝る仕草をしながら言ってようやく成れ果てに理解して案内してもらえました。ここはシンプルにすごかったです。ここまでで成れ果て語に触れて長くて30分なのに言葉を聞き取って実践できるというのは相当な言語能力だと思います。あと、「コンぼす」と言っていた黄色い成れ果てがかわいくて好きでした。

成れ果てたちについていくと、ちゃんと宿に到着しました。宿の受付の成れ果て、メポポホンさんのやり取りに戸惑いつつも無事に宿を取ることができました。個人的にメポポホンさんがかわいくて最推しです。原作を読んでいるときはそんなに刺さらなかったのですが、人差し指を立てながら「どぶどーどーど」と一言言ったところで一気に最推しになりました。声がかわいくて「お前、そんなかわいい声だったのか!」とひとり興奮していました。

宿の部屋はトイレに羽虫がたかっていて、美味しそうに見えない食事にも羽虫が舞っていました。リコとナナチが言うには見た目に反して意外と美味しいらしいです。アニメには説明がありませんでしたが、この料理のことを「クベキャサス」というそうです。味は良くても衛生面が気になる「クベキャサス」をリコは「アビスの旅は一期一会なんだから」と食べ続けていましたが、結局リコを腹痛が襲いました。

ファプタ

リコは腹痛に襲われている中、突然大きな揺れが来ました。慌てて外に出るとたくさんの成れ果てたちが道を歩いていました。マジカジャも歩いていて話しかけると、マジカジャは「ファプタ」を見に行くと言いました。ファプタはいつも怒っていて、価値の化身であり、なかなか姿を現さないがどこにでも行けて決して滅びない存在だそうです。この話を聞いたナナチはこのファプタが書き置きを残し、リコの白笛を奪った犯人なのではないかと疑いました。そこで、ナナチはレグにファプタの偵察をお願いしました。成れ果てたちをかき分けて、村を出た先には人型の機械とそれに乗る白い鳥のような人型の動物のようなものがいました。マジカジャの言うに、「ファプタ」は「成れ果ての姫」という意味だそうです。

6層到着直後のガンジャ

ここで場面が一気に6層到着直後のガンジャ隊に移ります。目の前には得体のしれない人型の機械が4体いました。その機械が何を話しているのかわかりませんが、ベラフが軽くガンジャについて話すと、その機械はついてこいということなのか先へ歩き出しました。行きついた先の光景を見て「黄金郷だ」と感動しているのも束の間、1体の機械が原生生物に連れ去られたところで話は終わりました。

最後に

以上が第3話の感想となります。これで1クールのほぼ4分の1が終わってしまいました。毎回思っていることですが、メイドインアビスを観ている30分はとにかく短く感じます。この先の展開を知っているのにそう感じるのは、それだけ面白くてのめり込んでいるということだと思います。それだけ素晴らしい作品になっています。

あと、劇場版同時上映の「マルルクちゃんの日常」全4話がアマゾンプライムで配信されました! これも神作品なのでぜひ観ていただきたいです! マルルクくんちゃんの新しいシーンが見られます!

最後まで読んでいただきありがとうございました。それではまた第4話「友人」の感想で。