アバン
夏の宵
猫燈(ちょうちん)の下
お面屋の
二尾に分かれた
パイプの煙
笹木美代(ささき・みよ)は、いつも明るく陽気な中学二年生の女の子。空気を読まない言動で周囲を驚かせ、クラスメイトからは「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれている。しかし本当は周りに気を使い、「無限大謎人間」とは裏腹に自分の感情を抑えて日々を過ごしていた。
泣きたい私は猫をかぶる 公式HP
そんなムゲは、熱烈な想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)へ毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった・・・。
イントロ
「週刊! ケモノ部」とは投稿主のノブが世界にあふれるケモノコンテンツを収集しそれを毎週紹介するものである
ケモノ部
いよいよ本格的に寒くなってきたこの頃だが、今回紹介する作品は全くの逆、夏のお話である
その映画はズバリ、「泣きたい私は猫をかぶる」だ!
文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で優秀作品に選出された本作は現在Netflixで独占配信中となっている
ホントの気持ちを伝える難しさ、猫になら打ち明けられるもどかしさ……
幼く繊細な心の揺らめきを見事に描ききった作品だ
概要
あらすじ
同級生から「無限大謎人間(通称ムゲ)」と呼ばれる主人公。明るさだけが取り柄のような、悩みなんて何も無さそうな彼女であるが、そんなムゲの苦悩を知る者はいなかった
家でも、学校でも、こびり付いた笑顔が剥がれない
世界を呪った彼女の前に現れたのはお面屋だった
怪しげにパイプをふかした化け猫は、ムゲに「猫になれるお面」を与える……
猫になれるようになったムゲは、度々猫として、意中の彼に甘え通うようになった
人間の自分に対するものとは真逆の扱いに、次第に猫でいる方が幸せな気さえしてくる
そんな彼女にお面屋がささやきかける
「どうだい、猫になりたくなったかい」
お面屋の狙いは何か……
なぜムゲなのか……
闇夜に妖しげな猫又の目が黄色く光る
メインキャラクター
・笹木美代(ムゲ)
13歳の中学2年生。
キャラクー on 公式HP
空気を読まない言動で周囲を驚かせ、友人からは「ムゲ(無限大謎人間)」と呼ばれる。
同じクラスの日之出賢人に想いを寄せ、毎日アピールしているが反応はいまひとつ。
10歳のときに両親が離婚し、現在は父・洋治とその婚約者・薫と同居中。
好きな食べ物は「お母さんの作った里芋の煮っころがし」。
他人に辛いところを見せない彼女だから、みんな勘違いしてしまう
彼女の言葉を誰も本気にしてくれない
諦めて、でも期待して、そして裏切られる
お面の力で猫になれるようになった彼女は、猫になって想い人である日之出賢人の元へ通う
ムゲの知らない日之出の姿を、猫としての笹木美代は知っている
ホントの気持ちを伝えるために、できることは何だろうか
・日之出賢人
ムゲの同級生。成績優秀。
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小さいころから姉にいじられることが多く、目立つことを避ける性格に。
料理好きなのは、陶芸家の祖父が作った皿に盛り付けるため料理作りを始めたことがきっかけ。
昔飼っていた愛犬「太郎」への想いが強く、猫になったムゲを「太郎」と呼んでかわいがっている。
ムゲ曰く、「雌猫に『太郎』なんてつけちゃうセンス」や、「それが昔飼っていた愛犬の名前っていう律儀なところ」がたまらないんだとか
そんな彼は、なかなか自分の気持ちを表に出せない性格の持ち主
その反面、猫である太郎に悩みを打ち明けるなど、動物に対しては気が緩くなるようだ
・深瀬頼子
ムゲのクラスメイトで、小学生時代からの幼なじみ。
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ムゲが見せる工キセントリックな行動に対して、いつも呆れたような表情を見せているが、心の底では深い友情を抱いている。
彼女だけは、ムゲの本音にいつも寄り添い続けている
無限大謎人間の一番の理解者であり、大切な友人
・猫店主(お面屋)
ある夏祭りの夜にムゲが出会った謎のお面屋の店主で、かぶると猫に変身できるお面を彼女にプレゼントした。
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太郎の姿で日之出家に通う日々を楽しみ始めたムゲの前に再び現れるが…。
世にも奇妙なオスの三毛猫?
突然現れたり、浮かび上がったり、人語を話したり、……とにかく怪しさだけは満点
ムゲにお面を与えた張本人だが、果たしてその目的とは?
猫
猫といえば、世界では命が9つあるとか魔女の使いだとか言われているし、日本でも猫又のような妖怪も含めて「化け猫」の仕業とされる伝承が多く残されている
例えば「人に化ける」「人語を操る」「人に憑く」なんてのは猫の怪異の鉄板だ
実際、夜道に遠くから黒猫が歩いてくると、黄色い目だけがピカッと光って見えたりして怖い
現代なら猫の目が光って見える理由にはタペタムとかいう反射機能が網膜の奥にあるからだと説明できるが、これが昔話の時代だったら際立って異様に見えたに違いない
そんな妖しい猫の話題を現代にリメイクしたともいえるのが今回の「泣き猫」だ
ペットとして、猫が昔より身近になった現代だからこそ描ける物語だが、その根底に少し不思議な化け猫の影を見た
むすび
今回紹介した「泣き猫」は、もともと劇場公開が予定されていた作品なんだとか
だからとはいわないが、映画としての完成度は非常に高いものとなっている
全編ケモノを抜きにしてもおすすめできる作品だが、ケモナーとして特に推すとすれば作品後半の「猫島」であろうか
雰囲気や作り込み、人々(猫ども)の活気や息遣いは、それだけでスピンオフが作れそうなくらいである
と、今回のケモノ部はここまで! んじゃね、また来週!
p.s.
最近更新頻度が落ちてしまって申し訳ない……
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