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Published: 5 February 2024

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「週刊! ケモノ部」vol.38【狼と香辛料】

リアード

賢狼と行商人の旅路

アバン

「わっちは賢狼(けんろう)ホロ。ぬしと旅をしたい。」

ひょんなことから始まった彼らの旅―――
だがその旅の目的地が地図に載ることはない。もう誰にも知られていない亡き場所であるのだから……
道しるべは賢狼のもつ記憶のみだ
道中には何度も大きな壁やトラブルに見舞われる中、果たして二人の旅路の行く末やいかに

――これは1人の行商人と1匹の賢狼が紡ぐ旅の軌跡を綴った物語――
タイトルを「狼と香辛料」という

行商人のロレンスがある村で出会ったのは齢数百年の狼・ホロ。
人間の美少女の姿をした彼女は、代々豊穣の神としてあがめられていたが、役目を終え故郷へと帰ることを望んでいた。
共に旅をすることとなったふたりは互いに助け合いながら、北の地を目指す。

ストーリー on 狼と香辛料(U-NEXT) / ©支倉凍砂/アスキー・メディアワークス/「狼と香辛料」製作委員会

▼公式HP▼
狼と香辛料 支倉凍砂 公式サイト (hasekuraisuna.jp)
TVアニメ『狼と香辛料 merchant meets the wise wolf』 (spice-and-wolf.com)

イントロ

「週刊! ケモノ部」とは世界にあふれるケモノコンテンツを収集しそれを毎週紹介するものである

ケモノ部

今回紹介するのは「狼と香辛料(おおかみとこうしんりょう)」という小説!
この作品は支倉凍砂(はせくら いすな)先生によって書かれたファンタジー作品であり、デビュー作ながら2005年に行われた第12回電撃小説大賞では銀賞受賞作品に選ばれるほどの作品だ
最後までどうなるか分からない展開の進み方や伏線の張り方、予想の斜め上を常に行く衝撃などんでん返しの連続などのストーリーはもちろんのこと、登場人物の掛け合いなどが非常に面白く目を見張るポイント!

全体的にケモ要素は少なめで、どちらかというとケモミミ主体の作品ではあるが、ホロが巨大な狼にTFする要素もあるため今回紹介したいと思う!
ホロ以外にも羊やカラスの化身などの様々な動物が出てきており、アニメでTF描写が描かれている珍しい作品かも……!?

概要

あらすじ

ホロとロレンス on 電撃文庫Twitter / @bunko_dengeki

行商人として生活を営んでいる「クラフト・ロレンス」
ある日ロレンスは、パスロエ村というとある小さな村に行商に行っていた
しかしパスロエ村での行商を終え帰っている道中で、荷物しかないはずの馬車の中からなぜか物音が聞こえる事に気付く
恐る恐る積み荷にかけられたシーツを剥ぐと……
そこには一人の華奢な、人間のような姿なりをした少女がいたのだった
彼女は自らの名を「賢狼ホロ」と名乗る
それは奇しくもパスロエ村で崇められている豊穣の神と同じ名であり、それを証明するかのように彼女の頭と腰には人ならざる耳と尻尾がついている
そしてその正体は、全長10mを優に超えるほどの大きな狼で化身であった

ホロは今までは麦に宿り豊作のために尽くしてきたが、農業技術の進歩によって村人は信仰を少しづつ失い、自分を蔑ろにする人までも出てき始めてきた
何度も故郷を思い出し帰郷への思いをはせていたホロにとって、行商人ロレンスの訪問は村から出る良いきっかけとなった
ホロはそのままロレンスの荷馬車に潜り込んだ

「ヨイツ……?聞いたことがない場所だな」

向かう故郷は「月を狩る熊」という伝説上の生物に滅ぼされていた
誰も知らない記憶の地へと向かう彼らの旅路はどうなってしまうのだろうか

登場人物

ロレンス on 公式twitter / @Spicy_Wolf_Prj

クラフト・ロレンス

ローエン商業組合に所属する行商人。独立して7年目の25歳。
誠実な人柄だが、利に聡く、抜け目のない商人らしさも持ち合わせている。
行商に立ち寄った村で、狼の化身であるホロと出会い、ともに旅をしている。

CHARACTER ロレンス on 電撃文庫公式サイト (dengekibunko.jp) / ©文倉十・電撃文庫

本作の主人公であり、行商人として生活を営む25歳の青年
抜け目のなく、他人を思いやる気持ちは人一倍強い性格
旅の途中で何度も壁にぶつかってしまう事もあるが、その度にホロを支え、また支えてもらっている
頭の切れる人物であり、起点の利いた立ち回りと持ち前の前向きさで様々な困難に立ち向かう
商人らしく利益第一で行動しているが、言い合いになるとどうしてもホロに軍配があがってしまい高価なものをせびられてしまう結果に
そのため、いつもホロを甘やかしてしまっている

ホロ on 公式Twitter / @Spicy_Wolf_Prj

ホロ

豊穣を司る狼の化身。「賢狼ホロ」と自称する。
故郷であるヨイツに戻ろうと旅商人のロレンスの荷馬車に潜り込む。
人間に化けているときは、十代半ばの華奢な少女だが、その真の姿は人を丸呑みにできるほどに巨大な狼

CHARACTER ホロ on 電撃文庫公式サイト (dengekibunko.jp) ©文倉十・電撃文庫

悠久の時を生きる狼の化身
生き血やホロの胸元にある小さな袋に入った麦など、対価を支払うことによって狼の姿に戻る事が可能
故郷である「ヨイツ」に帰る事を夢見ているが、月を狩る熊という伝説の生き物に村を滅ぼされている
そのため帰る場所はなく、常に心の拠り所を探してる
掴みどころがない雰囲気であり、よくロレンスを振り回す
賢狼と名乗るだけあり、ロレンス以上に頭が切れる
一人称は「わっち」三人称は「ぬし」などの訛りっぽい独特な話し方が特徴的
生きる時間の違いから「誰かをと一緒に時を過ごすこと」を非常に恐れていたが、ロレンスと出会い旅を共にしていくことで心の底から彼を信頼するようになる
『このライトノベルがすごい!』女性キャラクター部門では2007年版で1位、2009年版で2位を獲得している本作最人気キャラクター
(筆者も大好き)

世界観
WORLD MAP on 電撃文庫公式サイト (dengekibunko.jp) / ©文倉十・電撃文庫

「本作の舞台は12世紀から15世紀のドイツ北部から北欧をイメージしているが、イタリアの雰囲気も混在していることから、見る人によっては疑問に感じる点もある。また作中に登場する食べ物については非常に注意しながら書いており、例えば甘いものについては史実との辻褄を合わせるために『果物のはちみつ漬け』以外は出せない。」

世界観 on 17巻後書き より(参考 : Wikipedia)

物語が一度完結した17巻の後書きで、支倉氏はこのように語っていた
作者の言葉の通り、中世ヨーロッパを思わせるような雰囲気の作品である
また主人公であるロレンスが商人であるように、本作は商人たちが話の中枢を担ってくる作品だ
「商売における利益と損失で勝ち負けが決まる」という読者にもわかりやすい勝敗基準であり、またその単純な基準の中でも支倉氏は「どれだけ会話のみで作品の幅を引き出せるか」という点に力を入れているため、実際に登場人物の台詞でも二重三重の意味が込められており会話一つ取っても非常に深い意味が込められていることが多い

また本作にはホロのような狼の化身をはじめとした、複数の「動物の化身」が登場する
彼らは作品中で非常に大きな力を持っており、物語の展開を大きく左右するほどだ
自由に本来の動物の姿に戻ることができ、アニメやマンガではTFするシーンも見ることができる
しかし大きな力が故に本来の姿を表に出すことが無かったり、自分の力を制限している者が多い
そのような「動物の化身」たちがどのようにストーリーと関わっていくのかがカギになる

アニメ化
コンセプトビジュアル on 公式Twitter / @Spicy_Wolf_Prj

「狼と香辛料 3期」が2024年4月に放送が決定したと2022年にKADOKAWAから発表があった
アニメのPVを確認すると、小説1巻の冒頭部分のようなシーンや舞台などが登場していた
現段階でストーリーの詳細はまだ出ていないが、もしかすると物語が小説の冒頭部分から始まるのではないかと考えられる
そうなれば原作小説やマンガ、アニメの1期と2期を見たことがないという人でも充分作品を楽しむことができるのではないかと思う

私は小説から本作を読み始め、その後アニメも見たが完成度に驚かされた記憶がある
狼と香辛料は登場人物の表情の変化、心情の移り変わりなどが非常に細かく描かれている作品だ
そして小説の細やかな部分がアニメの1期2期共に丁寧に描写されており、原作へのリスペクトや再現度の高さはネット上でも大変好評であった
ぜひ登場人物の小さな変化や、作者が力の入れている点である「会話の幅」に隠された意味などに注目しながらアニメの3期を楽しんでみてほしい

公式HP ▶ TVアニメ『狼と香辛料 merchant meets the wise wolf』 (spice-and-wolf.com)
公式Twitter ▶ 『狼と香辛料』?2024年4月よりテレ東ほかにて放送!(@Spicy_Wolf_Prj)さん / X (twitter.com)

むすび

挨拶が遅れました、はじめまして「リアード」です!
今回紹介した「狼と香辛料」は全体的にケモ要素が少なめで、完全に自分の趣味に走った作品でしたがいかがだったでしょうか?

「狼と香辛料」は私が初めてどっぷりハマった小説で、中学3年間は毎日のように読んでた記憶が……w
中でも特に注目してほしいのは「比喩表現の使い方」と「伏線の張り方」の2つ!
「何食べてどんな生活したらこんな表現思いつくねん」って何回思ったことか、もうほんとに数えてない……
商人と商人同士の腹の探り合いや心理合戦など読めば読むほど奥が深い作品であり、読んでる最中に何度も「うっわそういうことか!!!」って思って、その感動が実際に表情や行動に出てしまった事もあったり

そして私が一番好きな巻は、この表紙が目印の18巻!
けれどもこの巻だけ読んでも、内容は少し理解できない部分が結構あるかも……
てことで、つまりみんなも下のサイトから狼と香辛料の原作小説を1巻から最新刊の24巻まで全部買って、暗記できるくらいまでいっぱい読もな!!!

狼と香辛料 書籍情報 on 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト / ©文倉十・電撃文庫

そしてあとホロがものすっごくかわいい!(主観100%)
いや~、ほんとにまっじでかわいいわこの子
でも狼の姿だともっとかわいくなるんよなぁ……
こんな華奢な女の子がめっちゃおっきい狼にTFするっていうだけで最高すぎる
もちろん、TFするときに服はビリビリに破けるからやばい
最高にやばいし唆るよね? 唆るよなぁ!!??!?!

狼と香辛料オタクだから、まだまだ全然語り足りないけどもにこの辺で!
これを機に「狼と香辛料」を知ってくれる人が増え、また原作小説やマンガを読んだりアニメを見てくれる人たちがいてくれると嬉しいなって!
んじゃ、ここまで読んでくれてありがとやで!
それじゃの~!

ケモノ部では紹介してほしいコンテンツを常に募集している
有名無名問わずケモノなら何でもOKだ!
ぜひともコメントしていってくれ!もちろん感想のコメントも大歓迎だ!

リアード @Liaaa_0w0

鼠径部大好きつるぷにどらごん
普段は絵を描いたり推し限界オタクだったり音楽を聴いたり歌ってみたり
一度口を開いたが最後、一生止まる事はなく広島弁と関西弁を駆使しながらマシンガントークを展開するらしい

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